
こんにちは。
今回は、現場の肌感覚にはなりますが、Linux(Ubuntu)でSteamゲームを遊ぶ際に「ちょっとカクつくんだよなぁ」というのを解消するヒントをお届け出来ればなと思います。
読み替えると動かなかったSteamゲームが動くようになるヒントでもあるかもしれません。
それではどうぞ。
追記:(2025,07,18)
長らく「おま環」だったショートスタッター問題が解決しました。
その10の情報は基本的なようで見逃しがちな情報です。
ご覧ください。
私の環境

ソフト面はこんな感じ。
Ubuntu 24.04.2 LTS
デスクトップ環境はX11(Ubuntuデフォルト)
deb版Steam(snap版から変えました)
Proton9.0-4(ゲームにより微調整)
Steamゲームのインストール先は、別ドライブのSSD
ハード面はこんな感じ。
Ryzen7 2700X
32GB RAM
RTX 4060 8GB
XBOXコントローラー
こんな感じです。
その1 そもそもスペック足りてる?
そもそもの話、パソコンのスペック足りてますか?っていうお話。
格安のミニPCでモンハンワイルズ動かそうって言っても無理があります。
CPUはどこらへんからボトルネックになるのか分かりませんが、AMDだと私の2700Xもそろそろ気を付けたいなぁといった感触。
とはいえ4世代の5000系(であってますよね)に今更変えてもそんなに違いあるのかな?と思ったり。
メモリは最低でも16GBは欲しい、32GBあれば安心、余裕があるなら64GB以上といった印象(ゲーム用途の場合)
グラボは今どういう情勢なのかちんぷんかんぷんなのですが、NVIDIAだとさすがに1060は厳しくなってきたんじゃないかと思います。
追記:1000番台のサポートが終了されるようです。

2025年春先に4060に換装しましたが、それまで(その頃はWindows)で原神などは一応動いてましたが、ワイルズはしんどいはずです。
あと狙ってる解像度によって欲しいグラボが変わってきますよね。
FHDなら1660とかでもまだギリギリ戦えそうですし、WQHDとか以上になってくると4070とかそれ以上が欲しくなります。
そもそも「Linuxはサブ機で2Dゲームしか動かすつもりないよ〜」という方は「分かってる」方だと思うので大丈夫でしょう。
その2 Conkyで情報モリモリに出してない?
Linuxにはデスクトップ上にPC情報を貼り付けて表示させるウィジェットのような表示ソフト「Conky」というものがあります。

これでグラボの情報に大量にアクセスするとゲームがカクつきます。
試行錯誤した肌感覚だと4つくらいnvidia-smiにアクセスし始めるとカクつきが見られるように感じました。(強いグラボだともっと耐えるかもしれませんが)


他にもゲームによりますが、占有上位プロセスTOPいくつとか、毎秒ゴリゴリに描写が変わる情報もカクつきが見られた事もあります(必ずではない)
Conkyでデスクトップに情報表示してる人は気を付けてみてください。
Conkyについて色々試行錯誤した記事もあるので、その辺はこちらから。
その3 Steam Protonのバージョンを変えてみよう(追記あり)
PC性能も大丈夫、Conkyとかも大丈夫、でもカクつく!とか、動かない!という場合は、SteamのProtonのバージョンを調整してみましょう。
Steamの各ゲームのプロパティを出して、「互換性」から、
「特定のSteam Play互換ツールの使用を強制する」にチェック、

Protonのバージョンを9.0-4(2025年6月現在)とか、Experimentalとかに変えて動作チェックしてみましょう。

具体的なゲーム名出しちゃいますが、MTGアリーナは、9.0-4では若干カクつく(呪文を唱えた時に1秒位フリーズする)ので快適な対戦が出来ませんでしたのでExperimentalに変更したところ、今の所快適に動作しています。
同じような理由で、「ゲームが起動しない!」というときも、個別にProton9.0-4などに強制してあげると動くようになるかもしれません。
追記(2025年7月15日)
本当に見直しましょう(n敗)
この記事を「その9」まで書いておいて何ですが、英語フォーラムを翻訳して読み漁り、可能な限りのセッティングを行いましたが、結局Protonの見直しで解決しました(ゲーム名:MTGアリーナ)
自分で記事書いておいてExperimentalなんて考える余地すら無かったですね。
これで快適にカードゲームで遊べます。
というくらいProtonの見直しは効きます。
GE-Protonはあまり効果無かったです(MTGアリーナの場合)
その4 GamemodeをONにしたりOFFにしたりする
どっちなんだい!と思うかもしれませんが、Linuxが用意するGamemodeという仕組みをONにするとカクつきが無くなったゲームがあります(ロックマンX DiVE オフライン)
Gamemodeが入ってる前提で話をしちゃいますが。
Steam起動オプション(ゲームごとの設定)で、
gamemoderun %command%と設定しておくと、GamemodeがONになります。

GamemodeがONなのかOFFなのか見たい場合は、Extension Managerアプリから「Gamemode Shell Extension」を入れてみると良いと思います。


Gamemodeは「絶対変わる」ってほどではないですが、先述の色々の要素をやって、それでもダメな時に試してみる価値はあると思います。
その5 デスクトップ環境を変えてみて、コンポジッターを切ってみる
英語フォーラムに載っていた情報ですが、私の環境ではそこまで良い影響が無かったです。
私の場合、元々がX11だったので、GNOMEを入れたり、KDEを入れたりして試しましたが、良い結果は得られませんでした。
ただ、一応そういう情報もあったということで。
参考URL(英語)
詳しくない私が語ってもしょうがないので、詳しいと自負する方だけ見ていただければと思います。
その6 フルスクリーンでゲームする
これは結構効果ありました(検証ゲーム、MTGアリーナ)
対戦中に数秒ごとに2,3秒フリーズしてストレスだったのですが、かなりの割合でショートスタッターが軽減されました。
Conkyも起動してる、ウィンドウモードが100ストレスとして、
Conkyのグラボ情報減らして90(ゲームによってはこれだけで解決)
Gamemodeはあんまり変わらず
Conkyを完全に切ると80
フルスクリーンは20くらいまで減った感覚です(Conkyありでも)
Linuxゲームでプチフリーズに困ってる方、フルスクリーンプレイすると良いですよ。
SNSに上げるのにあえてウィンドウモードにしてたのが仇となりました。
追記:フルスクリーンでもショートスタッターが出るようになりました(MTGアリーナ)
どうしたもんですかね、、、
その7 Steamオーバーレイを無効にしてから有効にしてみる
参考URLはこちら(英語)
眺めていると「Steamオーバーレイを有効にしたら直った」という意見が多数。
あと、今有効だとしても、一旦無効にしてから有効化してみると改善、などなど。
実際私のLinuxでもDiscordのリンク先ブラウザが既定ではない問題も似たような、一旦無効にしてから有効にして改善した経験があるので試してみました。
結果として、効果はかなりありました。
ただ、一旦直ったとして、再発するのにどの程度の間隔かが問題です。
追記:一時的に良くなった事はありましたが、次のPC起動時からはまたいつもどおりスタッターです。
その際にオーバーレイのOFF/ONをしてみましたが、効果は薄かったです。(MTGアリーナ)
その8 画面とゲームのフレームレートを見直す
実践した時は効果があるシリーズ。
でも今回は永続的に効果が実感出来そうな予感があります。
私の画面構成は、
24型液晶(60Hz)
24型液晶(100Hz)
ゲーム(60だったり、例:MTGアリーナ)
で、ちぐはぐな環境でした。
いうて100Hzゲーミングするか?となって、60Hz、60fpsに揃えてみました。
今の所ショートスタッターは改善されています。
デュアルディスプレイの方、ゲームと液晶でフレッシュレートが違う方は試してみる価値があるかもしれません。
追記:その後再起動して再びゲームプレイしてみましたが、ショートスタッターは改善されていませんでした。
この、「一時的に改善するものの、その後再発する」のは何なんでしょうね。
その9 最小構成で試す(意味なし)
LinuxはメインPCで使ってるのですが、これまで色々アプリを入れてきたのでそれでカクつくのかなぁと、一応原因つぶしの意味を込めてOSを入れ直しました(2025,07,13)
結果的に、Steamゲームのショートスタッターは変わらず出ました(MTGアリーナ)
OS入れ直したばかりなので、他のディストリビューションにしてみるのもアリかもしれないですね。
その10 ゲームインストールストレージを変える
私のショートスタッター問題はこれで解決しました。
OS(Linux)、Steamとは別のストレージにゲームを入れ込んでる方は見直す機会を持ってください。
私の場合ですが、Linux、Steam本体は同じSSD、ゲーム類は大量なので別のストレージ(PCIe変換噛ませた上でのM.2SSD)に詰め込んでいました。
そして、症状としては「ゲームのエフェクトが出るような場面でスタッター(ラグスパイク)が起きる」というものでした。
これを、OS入れ直しを繰り返してスッキリしていたOSストレージに何の気なしにMTGアリーナ(該当ゲーム)を入れてみたら、あれだけ安定しなかったProton9.0-4でもヌルヌルゲームが出来るようになりました。
Steamゲームを別ストレージに入れてカクついてる方、たとえM.2 SSDとはいえども、一回試しにOSストレージにゲームを入れてみてください。
これ海外フォーラムでも出てない情報だと思います。
※基本的すぎて(笑)
その11 ゲームを「キレイに」インストールしなおしてみる
その10の続きなのですが。
Ubuntuと同じストレージにMTGAを入れてヌルサクになりました。
そこでふと疑問になったのです。
「PCIe変換のM.2 SSDが悪いのか、Linuxと別ストレージなのが悪いのかの区別が必要だ」と。
そこで、大量にゲームを入れ込んでいたM.2 SSDは一旦フォーマットしまして、M.2 SSDにUbuntuをインストール、そこに最低限でSteamを構築してMTGAを入れてみました。
結果としては、PCIe変換のM.2 SSDだとしてもLinuxと同居の形ならMTGAがヌルサク動作しました。
そこでまた疑問が生まれます。
「M.2 SSDをキレイにしたなら、そこにもう一回MTGA入れてみて、メインUbuntuから別ストレージで読み込ませてみないか?」と。
結果として、UbuntuはSATAのSSD、Steamゲーム(MTGA)はPCIe変換のM.2 SSDという形でもヌルサク動作でした。
以前と違うのは、M.2 SSD内部をキレイにした(パーティションを組み直した)ことです。
つまり、以前のLinuxで放り込んでいたM.2 SSDの大量のゲームが古いのか相性が良くないのか、そこで読み込み不良が起きていたようです。
教訓:
Linuxを入れ替えたときは、Steamゲームドライブは残して〜とか考えずにゲームドライブもクリーンにしよう。
です。
おわりに
そんな訳で、現場の肌感覚ではありますが、LinuxでSteamゲームがカクつく時のヒントでした。
私は理系でも工学系でもエンジニアでもない普通の一般人なので、詳しい理屈などは分かりませんが「ウチはこれで動いてるよ」というある種現場の職人さんのような感覚で情報をお伝えしました。
それではまたどこかで。


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